iPhone修理業者について

iPhoneの修理は、Apple Storeのほか、Appleが認可している正規サービスプロバイダー、携帯電話キャリア、そして非正規修理業者で受け付けています。現在、iPhoneの最新機種はiPhone 12ですが、以前のモデルを大切に使われている方もたくさんいらっしゃると思います。iPhone 5やiPhone 6あたりを使用している方を電車の中で見かけたことのある方も多いのではないでしょうか。このように、過去モデルのiPhoneを愛用しているユーザーの方は多いにもかかわらず、Appleの修理網は盤石だとはいえません。そんなわけでこの記事では、iPhone修理の現実やおすすめの修理業者についてご紹介していきたいと思います。

iPhoneを修理に出すなら正規店が安心?

iPhoneを修理に出す場合、すでにご紹介したように、大きく分けて4つの候補があります。おそらく多くの人が安心して修理に出せるのはApple Storeだと思います。確かに、メーカーが修理してくれるわけですから信頼度は高いでしょう。しかし、Apple Storeには大きな問題があります。
Apple Storeは店舗数が少なすぎるのです。Apple Storeだけでは、全国に星の数ほど存在するiPhoneユーザーをカバーすることはできません。そのため、Appleが認定している修理業者が全国に存在しています。それが正規サービスプロバイダーです。しかし、この正規サービスプロバイダーは、「正規」とはいうものの、Appleとはまったく別の会社です。正規とはいえ、修理の内容や対応についてはApple Storeとは異なる場合があります。そのため、修理に出して安心できるとは限らないのです。

正規サービスプロバイダーと非正規修理業者の違い

修理内容や対応が異なる場合があるとはいえ、Apple Storeと正規サービスプロバイダーでは、修理を行う場合、本体を交換することが基本線になっています。基本線になっている…というのは、以前は本体ごと交換していて、今では部品交換も行うようになってきたからです。
だからこそ、Apple Storeや正規サービスプロバイダーに修理を出す際は、バックアップしなければならなかった…これが現実です。もちろん、バックアップを定期的にとることは当たり前のことだとしても、そうもいかない場合もあるでしょう。しかし、突然、iPhoneに不具合が起きてしまった場合は、データをあきらめざるをえないことが多かったのです。

一方、非正規修理業者に修理を依頼する場合は、バックアップは必須ではありません。バックアップしておくに越したことはありませんが、非正規修理業者での修理では、本体を交換するわけではないのでデータは基本、消えることがないのです。

結局、Apple Storeを含む、正規店では、部品交換で対応することがあまりないのです。非正規修理業者の場合は、カメラがこわれていればカメラを交換、スクリーンがこわれていればスクリーンを交換します。どちらが安く済むでしょうか?答えはかんたんですね。正規店で修理をすると高く、そしてデータが消えてしまう理由とは、こういうことだったのです。

正規店では直せないiPhoneがある?

実はApple Storeや正規サービスプロバイダーでは、すぐには直せないiPhoneがあります。冒頭で古いモデルのiPhoneについて言及しましたが、正規店ではiPhone 6S~のモデルしか即日の対応は行っていません。修理対応しないわけではありませんが、iPhone SE以前の機種は修理までに時間がかかるのです。実際、このあたりの機種をお使いの人はまだ相当数いらっしゃるのですが、正規店に持ち込んでも修理に時間がかかる…これが現実です。

一方、非正規修理業者の場合は、当然、古いモデルのiPhoneについても即日、修理対応しています。

非正規修理業者の場合、修理に純正パーツを使用するわけではありません。サードパーティ製のパーツを使用しますが、ほとんどの店舗では、純正パーツと遜色のないクオリティを備えたものを使用しているので心配することはありません。古いモデルのパーツでも、サードパーティのものは生産されています。正規店ではもしかしたら修理を断られてしまうかもしれない機種でも、非正規修理業者なら問題なく修理可能です。

一度開けた過去のあるiPhoneの修理

こちらは聞いたことがある人も多いかもしれません。現在、iPhoneをお使いの人の中には、中古で手に入れたという人もいらっしゃると思います。
正規店での修理履歴がある個体の場合は問題ありませんが、ユーザーが自分で修理するために開けている場合や、非正規修理業者が修理している場合は、以降、正規店での保証も修理もできなくなります。これはメーカーとしてはやむを得ないことなのかもしれません。このような個体の場合は、非正規修理業者でメンテナンスするほかありませんが、違法改造しているような個体でない限り、修理は受け付けてもらえます。

iPhoneを修理に出すなら非正規修理業者がおすすめ

ここまでご紹介してきたような事情があるので、iPhoneを修理に出すなら、正規店よりも非正規修理業者のほうが圧倒的におすすめです。非正規修理業者に出したほうがよい理由はまだまだあります。

予約がいらない

Apple Storeを含む正規店での修理は、予約をしてから出向かなければなりません。スマートフォンはこわれてしまったらすぐに直せないと困ってしまうものですから、深夜でもない限り、可能な限り早く修理に持ち込みたいものです。あなたの街にある非正規修理業者なら、予約をとらなくてもこわれたiPhoneを持ち込めば、よほど複雑な問題でもない限り、その場で修理を受け付けてくれます。ありふれた故障であれば、30分もあれば修理してくれることでしょう。予約をとっているショップもありますが、完全予約制の非正規修理店はあまりないのではないでしょうか。

データが消えない

非正規修理業者に修理に出す場合は、すでにお話ししているとおり、本体を交換するわけではないのでデータが消えてしまうことはありません。バックアップをとっていない、もしくは何らかの理由でとれない場合でも、非正規修理業者であれば修理に出すことが可能です。これは多くのiPhoneユーザーにとってうれしいことだと思います。

総務省登録修理業者は信頼の証し

その証しが「総務省登録修理業者」です。総務省登録修理業者の制度は、スマートフォンが世の中に誕生した頃には存在していなかった制度です。この制度が生まれた背景には、スマートフォンブームによる修理需要をまかなうために登場した修理店の存在がありました。
このような修理店の中には、知識も技術力も伴わないショップもあり、問題になっていました。また、iPhoneは電波法において、日本国内での使用に規制があるにもかかわらず、一部の業者は違法な改造を行っており、このような行為を防ぐ意味で登場したのが総務省登録修理業者制度だというわけです。

総務省登録修理業者は、総務省からの指導を受け、電波法に定められた基準でiPhoneを修理することのできる業者です。この看板は、iPhoneの修理業者として信頼に値する証しだといえるでしょう。

まとめ

iPhoneの修理について、正規店と非正規修理業者の違いを中心に解説してきました。皆様が使用中のiPhoneの状況にもよりますが、多くの人は非正規修理業者でメンテナンスを行うのが現実的な選択肢だと思います。何より予約の必要がなく、データが消えないというだけで、非正規修理業者を選ぶ理由になるのではないでしょうか。なお、非正規店に修理に出す場合でも、総務省登録修理業者を選ぶことを忘れずに!